たけのこ暮らし

たけのこ建築設計室 齋藤の日常

パブリックとの関わりを考える

 


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2月から6月の現在まで、すっかり生活が変わりました。特に子供たちに関係する部分が。

 

この3ヶ月間、常に家には子供たちが居て、学校での授業が行われないなかで時間だけが過ぎていき、僕たち親が子供への教育を日々行うようになりました。僕たちは幸いなのか?職住一体の生活スタイルなのでそうした変化への対応は比較的し易かったと思います。ただ、その間、当然ですが日中はまともに仕事をすることができず、各方面へもご迷惑をおかけすることとなりました…。

 

濃密な三か月が過ぎ、とりあえず学校や幼稚園も再開され、一見いつもの生活が戻ってきたように見えますが、内情は以前と全く変わっていると感じます。

 

 

人の暮らしを内包する住宅建築についても色々と考えさせられる部分がありました。住宅はプライベートな空間であり、基本的には家族のためだけの密室です。でも、今回のコロナウイルスの影響でリモートワークを強いられる事となった時に、遠隔で会議や打ち合わせをする時には、プライベートの中にパブリックが存在することになります。結局ウチのとこでは実現しませんでしたが、ZOOMなどを活用したリモート授業を行う所もありました。これもそうした「学校」というパブリックがプライベートへと介入する事例だと思います。

 

現状のベーシックな住宅のカタチにとって、これはすごくストレスになるんじゃないかと考えました。これだけネットワークに関するテクノロジーが発達している今、そうしたパブリックにも対応できる「余白」を持つ住宅のカタチを考えるべきなのかな、と感じます。

 

かつての商店街にあったようなお店と住宅がくっついた形式はリアルなパブリックを持つ建築ですが、それとはまた別なネットワーク上のパブリックにも簡単に対応できるようなカタチ。今後考えていく必要があるかもしれませんね。

 

 


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「子供たちのいない落ち着いたランチタイムを終えた妻」