たけのこ暮らし

たけのこ建築設計室 齋藤の日常

署名活動、しています。

f:id:takenoko92:20210910164522j:plain

 

3日ほど前から、オンライン署名サイト「change.org」にて、署名キャンペーンを立ち上げました。内容は、僕たちの暮らす釧路市に対して、小中学校等の手洗い場で温水を使えるようにして欲しいというものです。

 

北海道のような北国では、冬場の水道水の温度が一桁台になるところも多く、釧路市も昨年2月の調査では水温3.6℃を記録しています。ですが、釧路市をはじめとする多くの学校施設では手洗い場に温水が使えるところが少なく、痛いくらいの冷水で手洗いしている現状があります。詳しくは、以下のリンクよりchange.org内の当該キャンペーンをご覧ください。

 

https://chng.it/Dgk5N8ZZ

 

ここからは建築に関わるものとしての目線で少しお話します。

学校のような公共建築でも、個人住宅だとしても、使う人のことを考えた設えが一番大切です。しかし公共建築では、つくるまでの仕組み上の理由から、本来一番大切である「使う人」に対しての配慮が後回しになる事が多々あります。これは実際に業界にいるものとしての経験談です。とても悲しいことだなと日々感じていますが、この「仕組み」を変えることは本当に難しく、きっとずっと変わらないと思っています。

 

そしてまた、建築には「地域性」というものがあります。暑い地域では暑さをしのぐための工夫が必要で、反対に寒い地域では寒さに対する工夫が必要になり、そうしたものが建築自体の形態に自然とデザインとして現れます。

 

今、北国に限らずほぼすべての住宅では温水が使えるようにつくられています。それはなぜでしょう?理由は、四季があり冬寒くなる地方が多い日本では、冬場の冷たい水で手を洗ったり、お皿洗いをすることがとてもつらい事だと皆さんが感じているからです。

 

そうして住宅に関しては温水が整備されている現状で、なぜ子供たちの通う学校にはそうした整備がされないのでしょうか?これは僕にもわからないし、以前からずっと疑問に思っていました。ですが、少し前に本州の学校にエアコンを設置する・しないという問題がニュースに取り上げられました。設置を反対する声の中には「ぜいたくだ」とか「昔はエアコンなんてなかった。」「設置したら子供がひ弱になる」などの意見があったそうです。北国の温水での手洗いについてもきっと同じような理由なのでしょう。

 

快適に学校で過ごし、勉強や遊びに打ち込める環境を整える事はぜいたくなのでしょうか?そういったものを整備することにはお金がかかるから、という人もいますが、それは子供たちを社会で育ててゆくための必要経費なのではないでしょうか?であれば、当然当たり前のように整備されるべきものだと思いますし、議論の余地さえないと考えています。学校を「使う人」が子供たちであるならば、子供たちがより良い環境で過ごせるように、たくさんの大人たちに感じて、動いて欲しいと思っています。

 

と、ちょっと堅い感じでお話してきましたが…。

この記事を読んで、少しでも何かを感じていただけましたら、ぜひ署名サイトの方もご覧くださいね。よろしくお願い致します。