たけのこ暮らし

たけのこ建築設計室 齋藤の日常

暮らしを旅する

レミングハウスの中村好文さんという建築家がいます。

日常を慈しみ、丁寧に建築をつくり続けている建築家です。

 

駆け出しのころ、中村さんの建築を知りそのアプローチや作品に触れることが無ければ僕は今こうして建築家を名乗っていなかったと思います。

 

 


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中村さんの著書に「暮らしを旅する」というエッセイ集があります。旅好きで知られる中村さんが旅の間や日常のなかで感じた事柄を、とても軽やかでユーモラスな文面で綴った本です。内容はもちろん面白いのですが、僕はこのタイトルの言葉にとても影響を受けました。

 

暮らしを旅する

 

旅をして、見知らぬ土地を訪れ、その土地での人の暮らしや営みを知り、その土地の食べ物を食べたり。旅は自分の視野を広げて感性を刺激してくれるものです。

 

 

毎日の暮らしは、ずっと変わらないわけではありません。

最初は一人だったとして、その後伴侶と暮らしはじめる。子どもが生まれる。猫や犬がやってくる。時間の経過と共に家族は少しずつ成長していき、子どもは幼稚園へ入り、小学校へ進み…やがて自立して家を出る。

 

こうした家族の状況の移り変わりは、まさに「暮らしを旅する」ようなものじゃないでしょうか?子どもの成長と共に、親だってその都度新しい経験をしていきます。人とのつながりにも変化が出てきます。その新しい経験は、視野を広げ感性を刺激してくれるものだと思うからです。

 

その家族の長い長い「旅」にいつまでも寄り添うような住宅をひとつでも多くつくりたい。そんな思いで、これまで建築に取り組んできました。

 

 

そしてこれからもそうありたいと思います。

そんな気持ちを与えてくれた言葉のご紹介でした!