たけのこ暮らし

たけのこ建築設計室 齋藤の日常

住宅づくりにおける役割

住宅をつくる時に関わる「役割」が大まかに3つあります。

 

  • 建て主
  • 設計監理者
  • 施工業者

 

の、3つです。

 

この役割は、それぞれが独立する立場にあることが大切なんです。

来所されるお客さんにはよくするお話なので、改め記事にしてみます。

 

 

■建て主さんの役割

 

住宅をつくろう!というプロジェクトの発端は、何より建て主さんの発起からはじまります。当然、自分たちの暮らす家に対し一番真剣になる立場であり、プロジェクトの内容を左右する「予算」と「決定」をする立場になります。

 

■設計監理者の役割

 

建て主さんから依頼を受けて「設計監理契約」を結び、住宅プロジェクトに対して総合的に統括する立場が設計監理者です。予算や希望、土地や関係してくる法律や規制などの条件を元にこれからつくる住宅のカタチを建て主さんと一緒に具体的にしていきます。具体的になった内容を図面に反映させて、完成したら施工業者さんへ見積もりをお願いし、予算とのズレがある場合には設計変更したり業者さんとの交渉や折衝を行ってすり合わせていきます。

ここまでが「設計業務」です。

 

その後、工事が始まったら図面通りに適切に工事が進んでいるのかをチェックする仕事が始まります。これが「監理業務」です。どんなに詳細な図面を描いていても、現場ではミスや勘違いが起こるもの。その是正を指示して、建て主さんの資産となる住宅がきちんとつくられるように完成までずっと見守ります。とても大切な仕事です。

 

■施工業者の役割

 

設計者からの図面をもとに工事費を算出し、調整が終わったら直接「建て主さんと工事請負契約」を結びます。着工したら、最終建築図面をもとに適切に工事を進めます。各工程ごとに設計監理者の検査と承認を受けて、是正がある場合には適切に修正してきちんとした住宅をつくっていきます。どんな住宅も最終的には人の手でつくり上げていきますので、施工業者さんの丁寧な仕事が住宅のクオリティに直結します。

 

 

 

おおまかですが、こうした三者のチームワークで住宅はつくられていきます。

では、なぜ「独立した立場」が重要なのでしょうか…?

 

 

■一番大切なのは、誰からお金をもらって仕事をするのか?ということ

 

 

誰からお金をもらい、だれのために仕事をするのか?

このごく当たり前のことが、建築にはとても重要なんです。

 

例えば

 

設計監理中の現場で、図面と違うミスが発覚した。修正していると工期が遅れて施工業者に負担(経費)がかかる。どうしよう?

 

となった時に、設計監理者が施工業者さんからお金をもらっている立場だったらどうなるでしょうか?

 

是正するとお客さんである施工業者さんにとってマイナス。だったらなんとなく隠蔽してやり過ごそう!お客さん(施工業者さん)を困らせるわけにはいかない…。

なんて可能性がありますよね?

 

 

次に、僕たちのように施工から独立した設計監理者の場合はどうでしょうか?

この場合の設計監理者は、建て主さんから報酬を得ている立場です。つまりお客さんは建て主さんです。

 

図面と違う、現場でのミスはお客さんの不利益になります。当然速やかに施工業者さんへ是正を指示して手直ししてもらいます。本来の設計監理者は、報酬をいただく建て主さんに代わって住宅づくりを統括する立場になるので、ごく当たり前の行動をとることができます。

 

 

 

このように、お金の出どころってとっても重要なんですよね。誰を向いて仕事をするのか?それだけで実際の仕事や出来上がるものの質はまったく変わってくるからです。

 

 

この事実を認識すると、今まで当たり前だった家づくりへの認識って全く変わるのではないでしょうか?実際、たけのこへ来所されたお客さんたちは、みんな「確かに!」と納得していただけます。

 

 

大きなお金を支払い、長い間家族が暮らすことになる住宅です。

だからこそ、家づくりを考えた時には、信頼できるパートナーとして

僕たちのような設計事務所、建築家を選択肢のひとつとして検討してみてはどうでしょうか?

 

 

きっと、安心して楽しい家づくりができると思いますよ!